ブランディングプロデューサー 柳沢美奈子のブログ

強みを伝えると「自慢してる」って思われるか不安 その3

2021年05月10日

相手に、自分の強みを伝える際に、自慢に聞こえない方法を考えて、②まで説明してきました。

①自分の強みが相手の役に立つまたはお悩み解決ができる内容であるか
②努力や経験で身に付いたこと、これまでの実績について数字などを引き合いに根拠をもって淡々と語る
③他人の評価を借りて表現する
です。

③の他人の評価を借りて表現する
は、そのままですね。解説の必要はないでしょう。

最近は、インターネットの発展によってありとあらゆる情報を見つけることができるようになりました。
そのため、企業が発信している広告宣伝のようなものをそのまま信じる人は少なくなっています。
Amazonに代表されるように、カスタマーレビューを掲載している販売サイトも多いですし、他の人の感想や解説記事、比較サイトなどあらゆる方法で情報を集め、購入を決めているのではないでしょうか。

自分からの発信は、信じてもらえないわけではありませんが、他者から評価されている事実が信頼性を増すことは間違いありません。

まして、自分では言いにくいことは、他者から語ってもらうことで「自慢」のイメージは払拭されていきます。

たとえばこんな表現です
・もっと早くここを知っていたらよかった、とお客様に言われました
・オープン以来、○年間毎月通ってくださるお客様がいます
・予約が取れなくなるといやだから他に教えたくないと言われました
・ここに来るとホッとするというお客様が多いです
などなど

上記は、BtoCと言われる個人のお客様を対象としたビジネスでの例になります。
BtoB(対法人のビジネス)の場合は、また少し違った表現になりますが、根本の考え方は同じですね。

「お客様の声」や「レビュー」は、販売サイトや広告には必ず掲載されるほど重要視されています。
私たちも、自分の強みや特徴を語る際には、他者評価を上手く使って、自慢に受け取られないようにするとともに、信頼性を増していきましょう。


こうして、3回にわたり、自慢に聞こえない表現について考えてきました。
内容に気を配ることも大切ですが、何よりもその強みの内容に相手がなんの関心もなかったり、こちらからの押し付けであったりすれば、どんな中身であっても自慢気に聞こえてしまいます。

強みを伝える場合は特にコミュニケーションにも配慮して、独りよがりにならないように気を付けたいものですね。



強みを伝えると「自慢してる」って思われるか不安 その2

2021年05月09日


相手に、自分の強みを伝える際に、自慢に聞こえない方法を考えています。

①自分の強みが相手の役に立つまたはお悩み解決ができる内容であるか
②努力や経験で身に付いたこと、これまでの実績について数字などを引き合いに根拠をもって淡々と語る
③他人の評価を借りて表現する
です。

前回の記事で、①のタイプをお伝えしました。

自分がプロフェッショナルということを伝えないと、相手は安心できない場面でとても有効ですね。
ビジネスでは多いシチュエーションだと思います。

②も、タイプとしては①と似ていますが、数値を根拠にしていきます。

「マツコの知らない世界」という番組をご存知でしょうか。
特に有名人ではないが、その道の達人、オタク、コレクターなど、一つのことに精通したゲストを招いて、その人のオタクっぷりをマツコ・デラックスにプレゼンテーションする番組ですね。
(実はこの番組が好きでよく観ています)

ここに出演する人は、おしなべて圧倒的な数量をこなしてきた実績を評価されています。
例えば、これまでに4万5000個以上のアイスを食べてきたとか、全国7500種類以上の袋麺を食べたとか、他の追随を許さないレベルの経験を持った人ばかりです。

こんなに体験してすごい!というだけでなく、その経験から、何か知見を得たとか、良し悪しを見極められるとか、そういった専門家の視点を期待されているのでしょう。

重ねてきた経験を表す数値は、圧倒的な説得力をもつのです。

いつもこの番組を見ると、世の中にはいろいろなオタクの人がいるもんだな~と思います。
タレントではない素人でも、やはり、物事を突き詰めた人は面白い。

私たちも、自分のビジネスに関しては、継続し積み重ねてきた何かしらの経験があるはず。
それを一度数値化してみてはいかがでしょうか。

もちろん、いちいち数える必要はありません。
1日で○件対応しているから、月間で○件、一年では○件。
10年頑張ってきたから延べ○○件に達している。

だれも数えることができませんから、正確さよりも、概ねそれくらいの経験がある、というレベルで結構です。
経験の多さを伝えることが目的です。

数値が持つ真実は、自慢とは違うレベルで私たちの評価を確かなものにしてくれます。

③他人の評価を借りて表現する
は、次の記事で解説します。

強みを伝えると「自慢してる」って思われるか不安 その1

2021年05月08日

強みのお話しをしていくと「自慢って思われないか気になります」という意見がちらほら。
特に、女性はそれを気にする傾向が強いと感じています。

これはとても微妙で難しい問題ですね。

日本では謙遜が美徳で、つよい自己主張も嫌われる傾向があります。

でも、自分の強みはしっかり伝えないと、周囲には理解できませんよね。

受け取り方は相手によって違いますから、確実なことでは言えませんが、ここでは強みと自慢を整理することで、伝え方を考えていきましょう。

私たちが、相手の言っていることが自慢に感じるのは、どんな状態でしょう。

①自分の努力と関係なく得ている力を誇示する場合
例えば、親や親族、配偶者の社会的地位が高かったり、力があったりする場合、それを得意げに語られると鼻につきますね。ドラえもんのスネ夫のイメージです。


②こちらにメリットがないことを主張してくる場合
だから何?となるような、受け取る側には何のメリットにもならない内容を話してくる場合も自慢に聞こえます。


③すごいでしょう?と同意を求められるような伝え方の場合
時々遭遇しますが、「すごいですね~」と返事をするまで延々と聞かされることがあります(笑)

女性の多くは、コミュニケーションにおいて空気を読むので、相手の反応から上記のような内容を話すことはコントロールできる人が多いです。
自慢も、お互いに楽しく突っ込み合うことができれば、よい話題にもなりますね。

男性は、相手とマウントを取り合うことが多いので、自分はすごいんだということを主張する人が多いように見受けられます。

(男性女性でステレオタイプに分けているのではなく、経験上、その傾向性を語っています。他意はありません)

私たちは、ビジネスを行っていくにあたり、自慢に聞こえずに強みを伝えていかなくてはいけません。
では、上記のように自慢に受け取られることのない伝え方には、どんなものがあるのでしょうか。

①自分の強みが相手の役に立つまたはお悩み解決ができる内容であるか
②努力や経験で身に付いたこと、これまでの実績について数字などを引き合いに根拠をもって淡々と語る
③他人の評価を借りて表現する

です。

以前、歯医者さんの言葉で「使える!」と思った内容があります。
インプラントの手術の際に(骨が膿んでいて何かと面倒な状況でした)
「僕は、とても技術指導に厳しいクリニックでたくさんの経験を積んできました。技術には自信があるので安心して任せてください」

とおっしゃったのです。

強みを伝える方法を常に考えているオタクの私としては、「ほお~っ!この方法なら自慢でなく嫌味なく、患者さんに安心感を与えることができるではないか!」とその伝え方に感動したのです。

「私、失敗しないので」というセリフを言うドラマがありましたが、根拠なく言われても安心できませんよね。
逆に「経験不足で自信がないのですが、よろしくお願いします」と言われたら、手術台から逃げ出したくなります(笑)

根拠を示すこと、相手にメリットを感じさせる内容であること。
これは重要なポイントですね。

この自慢と強みを伝えるの比較は、次の投稿に続きます。

コンプレックスこそが強みとなる

2021年05月07日

「長所と短所は紙一重」という言葉は聞いたことがあると思います。

自分が短所と思っていたことが、角度を変えて見ると長所にもなる。
その逆も然りです。

コンプレックスにも同じことが言えると思います。

コンプレックスは自分がネガティブにとらえているもの、かつそれを自覚している特徴です。

自分が無意識にできてしまうことも大きな強みですが、
コンプレックスが強みになりうるのには、2つのパターンがあります。

①意識が高いからコンプレックスに感じる
②コンプレックスがあるからこそ努力して克服する

①意識が高いからコンプレックスに感じる
これについては、ちょっと解説が必要ですね。

例えば、私は自分が舞台に立ってお芝居をすることに興味はないので
「人前に立つと緊張する」
「お芝居が下手だからコンプレックスなんです」
ということはありません。

でも、仕事柄文章を書く機会が多いですし、できれば人の気持ちを動かすコピーを書きたいという希望があるので、文章に関してはコンプレックスを持っています。
その場合、他人との比較ではありません。ここでは、文章が苦手という意味ではないからです。

自分の望むイメージに対して、届いていないという劣等感ですね。
そして、本棚には、コピーライティングに関する本がたくさん並んでいます。

今は自分の望むイメージには到達していませんが、練習と経験を積めばもっと上達していく可能性は高いです。そして、他者から見ると、文章が得意な人と映っている可能性は十分あります。

②コンプレックスがあるから努力して克服する

これは、できないからこそ、努力することで克服し、できない人の気持ちがわかる、できない人にもわかりやすく教えることができる、という強みへとつながっていきます。
もともと自覚なくできてしまうことを人に教えるのは至難の業です。

前回の記事で書いた、私が、地図が読めることも同様で、方向音痴の人に場所を伝えることが苦手です。なぜわからないかが理解できず、わかりやすく伝える方法がわからないのです。

往々にして、出来てしまう人はそれを人に伝えることは得意ではありません。
反対に、出来なかったからこそ、私も苦手ですからこうやって克服できました。今ではすっかり得意な人になりました~!というのは大きな魅力となりますよね。

かくいう私も、自分の強みを見つけられずに悩んでいました。だからこそ、本人が自覚できない強みを見つけ出して、ビジネスを成功する手助けになりたいと願い、この仕事をしています。

恵まれていたらこの道へ進んでいなかった。
そんなストーリーも大きな強みになりうるのです。

何でもできる人は何もできないと思っている不思議

2021年05月06日

あなたの周りには、なんでも器用にこなしてしまうひと、不得意なことがないように感じるほどマルチなタイプの方はいらっしゃいませんか?

なんでもできる人と、ひとつのことに長けているけどあとのことはさっぱりという人、多くの女性経営者とお話しをしてきて、どちらのタイプもいらっしゃいます。

意外にも、何でもできる人は、自分は何ができるかがよくわからない、強みがわからないと悩んでいることが多いです。

自分のことは自分ではわからないものだと何度もこのブログに書いていますが、自分が難なくできることは自覚がないことが多いので、得意という実感もありません。
(足が速いとか、計測できるものであれば客観的指標でわかりますが、ビジネスの世界ではそういったものは稀です)

そうすると、なんでもできるタイプの人は、自分基準で考えると凸凹がないため、自分は何も得意なことがないと思ってしまうのです。
自分の強みをどれに絞り込んでいいのか、まったくわからず悩んでいることも多いですね。

逆に、他のことはできないけどこれだけはだれにも負けないと自覚できている人は、自分の強みを押し出すのに迷うことはありませんし、周囲からみてもそれを評価してもらいやすいという特徴があります。

かくいう私も、器用貧乏的になんでもこなすので、真剣に「私は取り柄がない」と思っていました。なんでもできるといっても「そこそこできる」レベルですからなおさらです。

自分が得意なことが何なのかを知るまでにはずいぶん悩み、遠回りをしましたが、強みを見つけるためにコンサルティングを受けたことが、大きなきっかけとなりました。

私は、女性では少数派な地図が読めるタイプです。
一度行った場所(通ったルート)は覚えていることが多く、運転する道順は上から見ているイメージを持っています。
カーナビは北が上でないと気持ち悪いし、場所を教わるのは東西南北で説明してもらわないとわかりづらい。
こういったことは、みんな同じように感じていると思っていたら、そうではないらしいと知ったのは、比較的最近のことです。

「俯瞰的に物事を見る」力があると、そのコンサルタントの方に指摘されたことによって、自分が、計画から実行、ゴールまでをイメージしてプランすることができる強みを持つことに気づくことができました。

何でもそこそこできる人から脱却し、持っている強みを活かしてビジネスを成功させる。
そんな目標も持つことができました。

そして、他人の能力や強みを探ることが好きな私は、クライアントの強みを見出すことにも興味を持って経験してきたわけです。

ブランディングにおいて、自分を知ってそれを強みへ変換していく作業は、とても大切だと考えています。
しっかりと強みを自覚することができれば、ビジネスで迷ったときも、原点に戻ることができます。

自分では気づかないなら、他人の力を借りる。
器用な人ほど、第三者に頼ってほしいですね。

好きなことを仕事にするってどういう意味?

2021年05月05日

「好きなことを仕事にする」という言葉を耳にすることが多くなりました。
「好きなことを仕事にする」「好きなことを仕事にしてはいけない」と、さまざまな意見があるようですが、私は「好きでもないことを仕事にする」のは、ずいぶん辛いことだろうと考えてしまいます。

ただ、相反する考え方があるということは、比較する基準がそもそも違うのかもしれませんね。

ここでは、「好きなこと」をもっと深く掘り下げてみましょう。
例えば、音楽が好き、イベントが好き、ものづくりが好き、接客が好き、など、ざっくりとしたものではなく、そこから派生する事象にフォーカスします。

例えば、「ものづくりが好き」なのは
 集中して何かに取り組むのが好き
 何を作るか設計して準備をし、完成させることが好き
 今あるものを工夫して別のものに変化させるのが好き
 周囲と共同して大掛かりなものを作り上げることが好き
 細かい部分にまでこだわって完成度を高くすることが好き
と分析することができますね。

さらに「接客が好き」なのは
 人と話すのが好き
 自分が薦めたものを買ってもらうことが嬉しい
 お客様が何に興味があるのか話しながら見つけていくのが楽しい
などの要素に分解できます。

自分が何にワクワクして、夢中になれるのか。
何を楽しいと思うのか、要素を分解して考える事で、本当に好きなのは何だったのかを知ることができます。

私は、子どものころから推理小説が好きで、今でも小説はほとんどミステリージャンルばかり読んでいますし、刑事もののドラマも大好きです。
たぶん、問題を解決していくことに興味があるのだと自己分析しています。

課題を見つけ出し、要素を洗い出し、解決方法を探す。
その一連のプロセスは、きっとクライアントの強みを見つけ出すことにもつながっているのでしょう。

好きなことを仕事にするのは、独立・起業する場合には、大切なことです。
でも、好きなことをジャンルとしてだけ捉えるのではなく、それにまつわる要素まで考える事で、ミスマッチを減らすことができるのです。

正しく自分を知って、強みへと活かしていきましょう。
それが、幸せに成功するファーストステップです。