合資会社 荻野商店様

取材・インタビュー
綴屋 取材ライター 増田有香
2025年11月で創業74年目を迎えた、名古屋市東区の「合資会社 荻野商店」さん。
たけのこやぜんまいといった山菜の加工卸、水煮やレトルト加工品の製造、またオリジナル商品の販売や企画開発なども行い、大手スーパーや学校給食にお客様を持つ企業さんです。
そんな老舗の屋台骨を支える、3代目代表の荻野園女(おぎの そのめ)さんに、アイウィルさんとの出会いや、ブランディングによる気付きについて聴いてみました。
補助金申請の相談から、ブランディングを経てサイト作成へ
--美奈子さんにご依頼されたきっかけを教えてください
これまで長年、BtoBで山菜の加工をしてきたのですが、BtoC向けのアプローチも必要だと考え、文字通り素材の味と栄養をそのままレトルトで閉じ込めた「SONO-まんま」という商品を開発したんです。
その販売促進を補助金でやりたいと思っていた時、いつもお世話になっている税理士の堀尾栄子先生に相談したところ「ぴったりの人がいるよ!」と紹介していただいたのが美奈子さん。
実は以前から美奈子さんのことはFacebookでは存じていて「素敵な方だな~仕事ができるんだろうな」と思っていたんです。会ってみたい方だったので、話す前から依頼を決めていたようなものですが(笑)、直接お会いできて嬉しかったですね。
--ご縁があったんですね。具体的にはどんな相談をされたのですか?
商品には自信があるものの、amazonや楽天で売るのは私には仕組み的にも経費的にも考えるものがあり、一歩踏み出せずにいたんです。そう話したところ「じゃあコストをかけずにECサイトにもリンクした、BtoC向けの荻野商店のサイトを作りましょう」という話になり、トントン拍子でサイトを作ることになりました。
販促についてずっと一人で悩んできましたが、売る前にサイトで表現するという視点がなかったので、専門家の意見は大事だなと思いました。
共感と客観的なアドバイスで、自らの道が正しかったと安堵
--美奈子さんとは数ヶ月ご一緒されたと思いますが、印象に残っていることは?
それまでやったことがなかった「掘り下げる」「客観視する」という作業を徹底的にしてくださったことが印象的ですね。
私は「正直に、誠実に、丁寧に」をモットーに、絶対にひと手間を惜しまないことを守ってきました。またやる前から「やれない」と言わずやれる方法を考え、やれない理由ではなくやれる理由を見つけるよう心がけてきました。
こうした私の話を全て肯定してくださり、だんだんと自分や自分の会社の価値に客観的に気づけるようになったのも、心に残っています。
--大人でも褒めてもらうと嬉しいですよね
はい。つくづく実感しましたね。
実は私にとって荻野は嫁ぎ先で、結婚当初から手伝う中で「自分が継ぐのがいいのではないか」と思っていたんです。
だから事業継承は当たり前のことだったのに、美奈子さんは「お嫁さんが継ぐことだけでもすごいのに、会社を80年続けてこられなんて偉業ですよ!」って。
第三者の方にそう言っていただき、改めて認められたような気がして嬉しかったです。
商品についても「世の中にはあまりない、素晴らしい商品です」と言ってくださって。
ずっと当たり前だと捉えていた多くのことが、実は自分ががんばってきた証なのかな…と、自信に繋がったように感じます。
「ブランディング」っていったいなに??
--さて、美奈子さんからは「ブランディング」というワードが何度も出たかと思いますが、どう感じましたか?
それが…当時はブランディングだけじゃなく横文字の言葉が全然わからなくて、「LP? それ何ですか?」って聞いたくらいなんです(苦笑)。
でもブランディングという言葉すら知らなかったからこそ、美奈子さんが言われていることが、すーっと素直に入ってきたのでしょうね。「今まで学んだブランディングと違う」ということもなかったです。
美奈子さんは「ブランディングとは、自社の価値を高めること」とおっしゃっていて、お会いするたびにだんだんと理解していきました。
--「自社価値を高める」とは具体的に?
前述のように掘り下げて他にない強みを見つけることでしょうか。
また「荻野商店さんの強みはこれ」「ここが特にすごい」と明言してくださって。「こんなにいいものを作っているんだから、もっと多くの人に知ってもらわないと!」と言っていただき、「自社価値を高めるとはこうやってやるんだ。それがブランディングに繋がるんだ」と学びました。
特色をふまえ、売り方までコンサルティング
--ほかにはどんなアドバイスをされましたか?
きっかけとなった新製品「SONO-まんま」は、当初ペット向けの商品として考えていたんです。でも美奈子さんから「ペットもいいですが、社会貢献や共感性の面から、介護用や防災の備蓄として打ち出してもいですね」と方向性を提案していただいて。「柔らかくて食べやすいし、栄養価も高い」「無添加なのも大事な特色です」というアドバイスもいただきました。
どれも自分にはない視点で「なるほど」「そうなんだ!」の連続。
素材そのものということで「SONO-まんま」という名前も美奈子さんが付けてくださったんですよ。
--アドバイスに、マーケティングの視点が満載だったんですね
それまで、マーケティングって商品を変えることだと思っていたのですが、響く人に訴求すればいいんだと、シンプルなことなんだと学びました。
例えば弊社の商品では、たけのこの水煮には添加物が一切含まれておらず無添加。実直に作ってきた商品を、それを望む方にストレートに届ける=マーケティングであり、それでいいんだと気持ちが楽になりました。
視点を変えて、響く人に訴求
--出来上がったサイトにはどんな感想をもちましたか?
やはり「さすが女性が作ったサイトだ!」と思いました。細やかというか、優しさが伝わってくるような。
弊社のお得意先はスーパーさんや業者さんですが、実際に手に取るのは毎日ご飯を作る方。そうなると必然的に女性が多いので、こういう優しいデザインは、まさにぴったりだなと思いましたね。
--周りからの評判は?
一番の収穫は、自信を持ってSNSに紹介できたこと。そして皆さんに「スーパーでよく見るあの水煮は、荻野さんのところのなんだ!」って知ってもらえたことですね。
意外なところでは、サイトからのお問い合わせが来るようになりました。「うちは原材料を扱っているんですが」なんてお話をいただいたり。
願わくば実際にお料理をされる方からのご注文が増えるといいですね。特に「SONO-まんま」は無添加で常温保存可能。ペット、介護、備蓄に最適ですよ(笑)。
伴走して、自信と覚悟を持たせてくれる
--最後になりますが、数ヶ月かけてブランディングをしたことで「こんな方に美奈子さんをおすすめしたい」というのはどんな方でしょう?
自分の周りには、子育ても終わり、生活の基盤はあるけれど好きなことを仕事にしたい方が多いように感じます。
でも経験がないとか、働くのが久しぶりだから恐いと感じたり、覚悟も持てない方もある。そんな方に美奈子さんをご紹介したいですね。
迷っている方の道しるべになってくれるのではないでしょうか。
--その方々はどんなふうに変われそうですか?
やっぱり…覚悟を持てるようになるかな。
働く意欲があるのに「仕方ない」って諦めて欲しくないし、やるからには覚悟を持って欲しいと思うんです。
といっても「絶対成功!」とかではなくて、自分の価値を高めながらちゃんと経営をする。美奈子さんなら、ある時は背中を押したり、ある時は寄り添ってくれるはず。
私たちの世代って、まだ体力も気力もありますから、ひと花咲かせて欲しいし、私も咲かせたいですね。
好きなことをどう仕事に繋げていくか、「何かやりたい」という場合でも、その方に眠る才能や強みをきっと見つけてくれるのではないでしょうか。
お話しするだけでも、きっと明るい希望が見えてくると思います。
